EXPERT TECHNIC

Draw4フィールドモニター大浦展仁

秋イカ

20141107_220240-1

秋イカ。
新子と呼ばれ夏に産まれたアオリイカの子供。
新子のアオリイカは食欲、好奇心が旺盛で繰り返し補食行動をとります。
自分の体より大きい魚に対しても補食対象と見なします。
とても獰猛で中には共食いをする個体もいるようで、小さくとも立派なフィッシュイーターです。
上記のことから新子のアオリイカは、とても高活性なことが窺えると思います。
まだ警戒心が薄く、エギに対しての反応も非常に良くスレていない個体が多いのでコツさえ掴めば比較的簡単に釣ることができます。
小さい間は群れで行動するため連続で釣れることもあり数釣りが楽しめます。
この時期のエギングは、とても人気があり普段は他の釣りをされている方でも秋のエギングシーズンだけはアオリイカを狙うという方も少なくありません。
一番の魅力は誰でも気軽に楽しめることです。
私も秋はサイトフィッシングでアオリイカを狙えるので大好きな季節です。
この時期はアオリイカが水面直下までエギを追いかけてくる様子や、エギに抱きつく瞬間までが目視できるのでアオリイカとの駆け引きがとても面白いです。
このサイト(日中に目で見える範囲)での釣りはエギング上達に欠かせません。
アオリイカとの駆け引きを実際に見ながらできるので、どういった動きに興味を示すのか、どういった動きに警戒するのかを確認できるのでとても勉強になります。
岸近くや水面直下で起こる状況は、目視できない沖や底付近でも同じような状況が起こります。
そのためエギが見えない状況や夜間の釣りにおいて日中のサイトフィッシングから学んだものは大きな武器となります。

釣り人が入れ替わりエギを通すことで、いくら新子と言えどスレていることがあります。
スレているアオリイカを釣るテクニックも必要ですが、秋エギングの醍醐味である数釣りを楽しむ上では1ヶ所で粘って釣るより幾つかの場所を回って活性の高いアオリイカを釣っていくランガンスタイルが良いと思います。
しかし、単純に場所を移動したからと言ってそう簡単に釣れるわけではなくアオリイカにとって条件の良い場所を探すことが大事です。

フィッシュイーターであるアオリイカも産まれて間もない頃は青物などの大型の魚の餌となってしまうため浅瀬で身を隠せれるような場所に潜んでいます。
まだ遊泳力も低いため潮流の緩やかな場所で補食行動を繰り返します。
表層付近に浮いている事もありますが成長と共に遊泳力がついてくるので、より大きな餌を求めてボトム付近や深場へ移動していきます。
よってアオリイカの成長に合わせ、狙う場所も少しずつ変えていく必要があります。
実際のところアオリイカは海中であればどこにでもいますが、より条件の整った場所に多く潜んでいます。
変化を好む生物なので障害物を攻めると効果が高いです。

シーズン初盤は港内の船やブイなどの影に身を隠して補食のタイミングを窺っています。
そういった場所は魚影も濃いので目に入った障害物は全て狙っても損はありません。
ただしそれらは漁師さんの大切な商売道具ですので、くれぐれもエギが絡んだりすることが無いように注意して下さい。
シーズン中盤になってくると少しずつ遊泳力もついてくるので、より豊富な餌を求めて港内から外側へ生息範囲を広げていきます。
同時に表層付近にいたアオリイカもボトム付近へ移動します。
潮流の速いエリアで泳ぐ程の遊泳力はないので岸際の沈みテトラやシモリによって潮の緩んでいるような場所に溜まっていることが多いです。
そのためヒットポイントは案外、足元にあります。
沖からアオリイカが岸際までエギを追ってくることも多いので早目に見切ってしまわず足元まで丁寧に探ると釣果も変わってきます。
また、手前から海中へ伸びていくような敷石はブレイクラインとなり、餌となる小魚の通り道となるため好ポイントとなります。

1442373487580

 

シーズン終盤になり充分な遊泳力がついたアオリイカは日中、豊富な餌を求めて沖の深場へ移動していきます。

中には浅場の障害物に身を隠している個体もいますが、成長と共に警戒心が高くなるので日中に釣る事が容易ではなくなります。
夜間は潮流によって岸際に寄せられたプランクトンを餌に小魚が集まるので日中、深場にいたアオリイカも補食のため小魚を追って浅場へ回遊してきます。
そのためシーズン終盤はナイトエギングが主になってきます。
潮目に沿ってプランクトンや小魚が回遊するので潮流の変化に富んだ場所が良いです。
また、常夜灯があるような場所も良く、光によってプランクトンが集まるので同様に補食のためアオリイカが集まります。
補食のスイッチが入ったアオリイカは警戒心が薄くなり連発する事も多く、日中に比べ一回り大きいサイズが釣れるのもナイトエギングの特徴です。
日中の明るい間に足元の障害物や地形の変化などを確認しておくとエギのロストも減り釣果が大きく変わってきます。
特に夜間の釣りは危険が潜んでいるので日中に釣り場の下見をしておくことで事故も未然に防ぐ事ができます。
なるべく単独釣行や初めてのような場所は避け安全第一でお願いします。

20141229_184305-1

秋は一年を通してアオリイカの数が最も多く成長過程のアオリイカは盛んに補食行動を取ります。そのためエギング入門に適した季節です。秋が深まるにつれ新子と言えど容易に釣ることが難しくなってきます。成長と共に付き場も変わるので状況に応じたポイント選定が重要になってきます。
今回はシーズン初盤から終盤にかけて簡単なポイントの説明をさせて頂きました。エリアによって多少の違いがあるかもしれませんが私は大まかにベイト、ストラクチャー、潮の変化に重点を置いています。秋イカは気軽に堤防などから簡単な道具だてで楽しめる季節ですので、これからエギングを初めると言う方やステップアップを目指している方々にも参考にして頂ければと思います。

2015.09.17 08:20
back
index
RECENT ENTRY

ページトップに戻る