EXPERT TECHNIC

Draw4フィールドモニター 山本剛

安全意識の大事さ

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私が釣りをするうえで一番大事だと思うのは『安全に楽しく釣りをすること』です。

エギンガーさんだけでなく全てのアングラーさんに共通する点ですが、安全策を怠ると自分や同行者を危険にさらす事になります。

まず一番に…
【海上保安庁の緊急通報・救難通報の『118』を覚えておく】

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一般的にはあまり知られていませんが、アングラーには110や119同様とても大事な番号です。
携帯電話に防水機能が付いていても海水は非対応の場合が多いので防水ケースに入れて身に付け、緊急時に通報出来る環境を作る事が大切だと思います。

私は主にナイトエギングをしますが日中と比べやはり危険です。
のんびり釣りをしている気がしても実際体には負担が掛かっており、自分が思っている以上に疲れている事があります。
ナイトエギングの場合疲れに眠気も加わり集中力の欠如による事故や居眠り運転も考えられますので、十分に休息をとり必要な場合には仮眠をとって帰宅しています。

 

また、主なフィールドは磯場なので堤防や波止場よりも危険度が増すため安全には配慮しています。

基本的なスタイルですが…
荷物はリュックサックに入れ磯歩きする際に必ず片手は使えるようにしています。

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あと荷物は増えますが必ず予備用ヘッドライトと予備電池を入れています。

万が一落としてしまった時や故障時に明かりが無くなると危険だからです。

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足元はスパイクの磯靴か長靴。

水位の関係で長い間海水に浸かっていた岩場はとても滑りやすく滑落や転倒の恐れがあります。

スパイクのピンが減ってきたら安全を考慮し早め早めの買い換えを心掛けています。

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今はスマートフォンの普及により簡単に方向や位置情報が確認出来るようになっていますが、
私がエギングを始めた頃はそんな便利な機能はなく、
恥ずかしながら私自身今ほど安全を考慮していた訳でもないので過去に一度大きな失敗をしています。

友人と2人で磯に向かって山道を歩いていたのですが途中で1本道を逸れてしまい遭難しかけた事がありました。
心細かった事もあり迷ったと気付いた時点でエギング仲間に携帯電話から連絡を入れました。
すぐに向かってくれるとの事で少し安心し2人で道を探しました。
目印を付けて歩きましたが不安だったためか正常な判断が出来ず、全て同じ目印に見えてきて余計に混乱しました。
たまたま脇道を見つけ山道から出ることが出来ましたが、道路に出られた時は歩き始めてから4時間程経っており、自分達が車を停めていた場所とはかなり離れていました。
すぐに駆けつけてくれた友人には今でも感謝しています。

あの時もし単独釣行だったら…もし携帯電話を持っていなかったら…と思うと今でもゾッとします。

その一件から単独釣行の場合には入るポイントを仲間に報告してから釣りに行くと言うルールが出来ました。
もしトラブルに見舞われ連絡も取れず予定釣行時間を大幅に過ぎても家に戻らなかった場合に、
普段行動を共にする仲間に居場所を伝えておく事で探してもらえるからです。
家族に行く場所を伝えていても実際どこに居るのか分かってもらえないのが現実です。

友人が居場所を把握してくれている事で家族にも少しながら安心感を与えられていると思います。
また仲間内では帰着安否確認も兼ねて釣行後には必ず釣果報告の情報交換をするようになりました。

 

実体験でもう1つ怖いと思った話をさせていただきます。

私はエギングを始める前、何年もサーフィンをするために海に通っていました。

私は流された事はないのですが一緒に行っていた友人が離岸流にのって流されてしまった事があります。

流された本人はパニックになり岸の方に戻ろうとするのですが流れには敵わずどんどん沖に流されていきました。

その時は友人を落ち着かせ岸に向かって泳がずに岸と平行に泳いで潮の流れから逸れるようにアドバイスし事なきを得ました。

釣りをしている場合でも当然海の中には流れがあり、万が一落水した時に流れに乗ってしまえば沖に流される事が想定されます。

サーフィンとは違い釣りの場合、落水した事により冷静さを失う事と、着衣の重さで体の自由が利かなくなる事で水泳の得意不得意関係なく泳いで助かるのは不可能に近いと思われます。

そこで必ず着用しておかないといけないのが『ライフジャケット』です。

ライフジャケットをつけたからと言って100%安全ではないですが、ライフジャケットをつけた場合の死亡例のほとんどが低体温症によるもので溺死は少ないとの事です。

落水時に堤防やテトラ、岩場などに頭や身体を強く打ちつけた場合に気を失ってしまったり自由に身体を動かすことが出来なくなったとしても正しくライフジャケットを付けていると破損しない限り数十時間沈んでしまうことはありません。

また救助されるまでに時間が掛かった場合に体力の消耗を軽減する役目も担ってくれます。

私の場合は磯場では固形型、波止場や堤防では自動膨張型を使用します。

どちらにも長所短所があるので個人の釣りスタイルにあったライフジャケットを着用して下さい。

いざライフジャケットを買おうと思ったとき『高いなぁ…』と思われる方が多いのではないでしょうか。

しかし万が一のコトがあった時に命に代えられるものはありません。

家族や友人、大切な人に悲しい顔をさせないためにもライフジャケットは必ず着用して欲しいと思います。

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その他、安全面を考える上で大切なのは『状況判断』だと考えます。

判断基準は人それぞれだと思います。

気象予報を見てやめておこうと判断される方も居れば、通い慣れている場所で風裏や波裏を知っていて実際にフィールドに出向き状況を見てから判断される方もいると思います。

仮に一般的な数値を見て危険と思われる予報の時でもポイントの選択によっては安全に釣りが出来る場所もあるのも確かです。

ただ休みがその日しかない、友達とその日にしか予定が合わない等どれだけ楽しみにしていても、状況が悪く危険だと判断した場合には無理をせずやめる勇気を持って欲しいと思います。

せっかくの楽しい趣味が嫌いになってしまったり辞めざるを得ないなんて悲しいですよね。

もしかすると生命に危険が及び取り返しのつかないことになるかもしれません。

常に自分の技量、力量を過信する事なく冷静な判断をする必要があると思います。

無知も怖いですが、経験を積む事によって自分だけは大丈夫、これくらいなら大丈夫だと言う過信ほど怖いものはないと思っています。

 

他にも細かい事で気にしていることは多々ありますが、少しの意識で安全に釣りが出来る確率は数倍上がります。

これから先何年、何十年経って釣りスタイルが変わり今より手軽に行けるポイントばかりになったとしても、安全面だけはいつまでも今のまま意識していたいです。

『安全で楽しく充実した』エギングライフを送る為に個人個人が今より少しずつでも安全に対する意識を高め仲間と共有していく事により水難事故を1件でも減らして行けたらといちエギンガーとして願っています。

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2015.04.17 11:48
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